big fan of 2000年代Hiphop

好きな音楽についての思い出や感想等を書いてます。

スタイルチェンジ

 最近ちょっと変えてみようかな、というか試してみようかなと思うのが、新しいリスニングスタイルです。僕は一つの新しいCDアルバムに手を付けると消化吸収力が低い+貧乏性なので、あまり好みでなくても一定期間は聴かないともったいない気がして次の作品になかなか手を付けられないのですが、そのせいでHiphopを聴きはじめて約17年になりますが年数の割には聴いたことのある作品がとても少なくて、それゆえHiphop的な教養に乏しく、それがコンプレックスでもありました。(本来はそんなこと気にするべきじゃないかもしれませんが、ええかっこしいな性格なので…) 

 かと言って一つの作品に対して深い理解があるのかというと、サウンドしか聴いていないため、正直得られるものは音楽を聴いたことによる楽しさ、心地よさ、感動といったもののみで、それも十分大切ですが、ただ快楽を得るだけで、そこから何か発見をしたり考えたりすることもなく、これじゃ子供がテレビゲーム好きなだけやってるのと変わらないじゃん!と思いまして。大人が子供にゲームは1日1時間というのなら、自分もそうしたただ気持ちよくなるだけのリスニングは程々にて、もう少し発展させた音楽鑑賞の方法を身につけたいと思い、ならばどうすればただの快楽享受から進歩できるか考えた末、深い理解は手間がかかって大変そうなので、とりあえず続けられることとしてアルバムを聴いた感想を、まるでツイッターでつぶやくように短くてもよいからアウトプットしようと決めました。そのためにこれからは一つの作品にもったいないからと固執せずに、ライトに、軽やかに向き合ってみたいと思います。作品選びもその時の気分は後回しで、半ば義務的にノルマのような形でチャレンジします。そんな聴き方不自然だし無理してると思われるかもしれませんが、僕は普段から自由が苦手で、縛られたほうが性に合っているので、このスタイルがマッチしている気がします。

 そんなわけで今日は6年ぶりに買った新譜(!?)であるSilk Sonicのアルバムを皮切りに4作品聴きました。以下それに対する感想です。

 先行曲"Leave The Open Door"が素晴らしすぎたため、2014年末のD’angeloの「Black Messiah」と2015年夏のDr Dreの「Compton」を買って以来、半端なく長いブランクを経て超久しぶりに買った新譜であるSilk Sonicの「An Evening With Silk Sonic」。アルバムは先行曲のみならず素晴らしすぎる(本日二回目)内容で、キュートで笑える、ビッチに失恋ソング"Smokin Out The Window"、サウンドのBootsy感が半端ないセンチだけど熱く燃える"After Last Night"、爽やかなフィールグッドソング"Skate"と先行曲に勝るとも劣らない曲の詰まった傑作で、現行シーンに対して浦島太郎状態の僕に昔のように最新の音楽が楽しめるかな?という希望を見せてくれ、新年早々嬉しい出会いとなりました。ちなみにこの作品の発売に合わせて雑誌ブルース&ソウル・レコーズ163号にてSilk Sonic大特集をやってくださっているので、こちらも合わせて購入すればより作品が楽しめると思います。僕は彼らの事や今活躍しているプロデューサー等を全然知らないので、Silk Sonicの2人に加えて制作に直接携わった人々の紹介・解説は非常に助かりました。加えてこの作品のルーツと言える70年代ソウル・ファンクの作品を150枚以上オールカラーで紹介した素晴らしい付録冊子もついており、Digginのおともにピッタシです。ただ正直に白状しますと、僕は他に欲しいものがあったので、こちらの雑誌(税込み1980円)は買わずに立ち読みで済ませました。ごめんなさい。

 

 

 2枚目はEazy-Eの「It’s on(Dr Dre) 187umkilla」です。アルバム名は正確には(Dr Dre)の部分にバッテンがしてあるのですがパソコンでどうやって打てばいいか分からないのでバッテンなしで。

 それはさておき、この作品は中ジャケでかつてのお化粧したドレーが痛烈にディスられていることから分かるように、ドレーとイージーバチバチにやり合っていた頃(93年)の作品ですが、前年のクロニック以上にヒリヒリした高音シンセが多用されており、ドレーのクロニックとSnoopのドギースタイルが「ワル」だとしたらこちらは「極悪」といえるような不穏なサウンドでカックイイです。でも一番のキモはイージーの人懐っこい声のラップ・フロウで、つくづくキャラの立った人だなと思います。ラップはもちろん佇まいや伝え聞くところによる来歴とかも含めてとても味のある人だと思います。ビジュアル的にもイージーのジェリーカールってメチャクチャ色気があって好きです。あと自分が非常に小柄(端的に言うとチビ)なので、恐れ多くもシンパシーを感じています。

 3枚目はMarvin Gayeの「I Want You」で、ジャケットに暖かみがあって良いですね。こういうジャケットのものはCD世代の僕でもLPサイズで飾りたくなりますね。

 音楽の方は柔らかさとエッチな感じのあるふくよかなムードで色気を感じます。00年代Hiphop育ちとしてはG-UnitやNasの曲にてサンプルされた曲が特に耳を引きました。

 4枚目はJuvenileの98年作「400 Degreez」で、僕が唯一持っている90年代のCash Money作品で、過去に一度聴いてピンとこなかったため長いこと眠っていたのですが、前回記事に触発されて引っ張り出してきました。

 改めて聴いてみたら自分好みの曲がチラホラあって、そこから自分の好きな音楽がどういったものなのか分かりました。どんなものかというと、カラフルでわかりやすいサウンドです。なのでこの作品内においてはIntroやFollow Me Nowが好きです。こうしたメロディアスな曲は本アルバムにおいて本筋(Cash Money作品ならではの曲)とは違うんでしょうけど、僕はこっちのタイプの方がグッときます。かねてから思っていましたが、僕はニューヨークで生まれたブレイクビーツジェームス・ブラウンをエッセンスとした「Hiphop」にはあまりピンと来ず、それよりもビョンビョン、ニョロニョロしたネッチョリ系ファンクが好きで、ゆえに「00年代のHiphop」にそうした要素があったのでハマったんだなと考えています。多分2006年にNasが言っていた"Hiphop Is Dead"の「Hiphop」はブレイクビーツ系のことで、たしかにそうした音楽はあの頃は消えかかっていたので、彼が"Dead"と言ったのも理解できます。

 僕からすると00年代Hiphopが自分にとって好きなHiphopなので、その後のEDM的なやつやTRAP系にはハマれず、寂しい思いをしたので、Nasもこんな気持ちだったのかなと今になって思います。

 でもNasの凄いところはそうして嘆きつつも立ち止まることなく時代の変化に沿った作品を出し続けていることで、あれから十数年経った今も活躍している彼には尊敬の念しかありません。変化に対応することはたいへんエネルギーのいることだと思うので。

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 こちらが今回お世話になった作品たちです。