big fan of 2000年代Hiphop

持っているCDと雑誌を管理するための記録ブログです。

T.I. "We Pimpin"


 以前、「私的名盤シリーズ」という記事を書いたのですが、それから一度も続きを書けてなくて自分の筆不精さが情けないのですが、またぼちぼち書こうと思います。

 で、今回は前回の私的名盤のテーマだったT.I.の2006年作「King.」に関連した良い曲を紹介します。

 T.I.の「King.」について書くために日本盤に付いていた解説を読んで(買ったものの読んでなかった)、そこで初めて知ったのですが、アルバムリリース前に大規模な音源流出というトラブルがあったのですが、T.I.はそれに対して自ら、本来であればアルバムに入る予定であった流出してしまった曲をまとめて「The Leak」というMixTapeとして出したのです。それを知って当時のT.I.のイケイケっぷりから考えて要チェックやわ!(スラムダンクに出てくる彦一風)ってことでYoutubeで聴いてみたらとても充実した内容で、是非紹介したい!と思い今回の記事を書いてます。そこに収められた曲は本当にアルバム用であった証拠に、「King.」に何曲か収録されているのですが、アルバムに採用されなかった曲もクオリティが高くて、正規アルバム収録曲に勝るとも劣らない曲がいくつかあるので、今回はその中でも特に気に入った曲を紹介します。僕はこの「The Leak」を聴いてT.I.の凄さを改めて感じました。


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 私的には「King.」と「The Leak」両作品の中でもベストといっても過言でないくらいグッときました。ワル~くて色気を感じるベースがグイグイ引っ張るトラックに卑猥なささやき気味のファルセットで迫るSleepy Brown&T.I.の色男ラップにゾクゾクします。僕の好きな「ワルセクシー」系です。

 で、T.I.のラップを「色男」と表現したのですが、これは声色とフロウから僕の独断と偏見で感じた印象であって、実際はどんな歌詞か分からない&それほど興味ないので、誰それの歌詞が良いとか、リリシストといえば~でしょ、みたいな話題は輪に入れないのですが、ブログを始めてから他の人はどんなことを書いているのだろうとネットの色んなHiphopメディア(Youtube、サイト、個人ブログ)を見てみたのですが、その多くでリリックの内容を解説していて、すごいな、と思うと同時に自分にはない音楽の楽しみ方・捉え方をしていて、より魅力を味わっているように思えてすごく羨ましくなったので、僕も歌詞まで味わえるようになりたくて最近は少しだけリリックを見るようになりました。

 そんな感じで"We Pimpin"を聴いていたら、「Japanese」という単語がきこえたので調べてみたら、"Japanese bitches Kung Fu fighting over me (Wow!) "というラインがあって、「Fight over ~」で、「~について争う」という熟語だそうで、それに倣って僕なりに訳すと「日本人のオネーちゃんたちが俺をめぐって(カンフーばりに)やりあってるぜ(ワーオ!)」って感じでしょうか?

 このラインで面白いと思ったのは、Fighting Over Meの前にKung Fuを付けたところで、それはJapanese Bitches、つまりアジア人ということにかけてカンフーというワードを付けた点にとてもユーモアを感じました。ただ争ってるのではなく、カンフーばりに「アチョー!」みたいな飛び技を駆使してバトってる光景が浮かびました。知らなかったので調べてみたら、カンフーとは中国の伝統武術の一つで、カンフーを東京、横浜、横須賀で指導している「TOKYOカンフー道場」さんのHPの説明によると、カンフーは「中腰姿勢の動作から体を伸びやかに使い蹴りを繰り出したり、そして時には跳躍して蹴ったりします。」とのことで、キャットファイト(女性同士の取っ組み合いのケンカ)の激しさの例えとしてユーモアも含めてバッチリじゃん!と思いました。さらに最後に「Wow!」というワードもT.I.がそのやり取りを他人事みたいに高見の見物してる、余裕のある感じが表れていて、さすがPimp Squad clickって感じです。

 今までは声とフロウだけ聴いて音楽を楽しんでいたのですが、今回リリックを調べることによって今までになかった感動があったので、これからは英語を勉強して歌詞も楽しめるようになりたいです。

 と、同時に、負け惜しみとか強がりではなくて、歌詞が分からなくても十分に音楽を楽しめるタイプなので、そんな感性の持ち主による音楽紹介というのも、昨今よくきかれる「多様性」の観点から見れば必要なんじゃない?というポジティブシンキング(笑)でこれからもブログを書いていきます。