big fan of 2000年代Hiphop

持っているCDと雑誌を管理するための記録ブログです。

Fingazz 「The Late Night Hype」

 2007年にリリースされた本作は、それまでに彼が手がけたフックがトークボックの曲や丸々トークボックスによるソウル・ファンクのカヴァーとは一味違って、トークボックスを使わない曲が多数収録されており、それがとてもクオリティーが高くて、僕の中での彼の評価がより一層高まりました。ここで多く聴かれるのはトークボックスではなく早回しされた声ネタで、それが甘酸っぱさと哀感を演出していて、西海岸チカーノ系の晴れやかさ・爽やかさに合わさってとても気持ちよく、味わいのある音楽となってます。

 チカーノと言ったのですが、ほとんどチカーノを聴いたことのない僕が言うのはおこがましいのですが、ここで登場するラッパー・シンガーの声が男性は渋く、女性はキュートかつセクシーで、アフリカンアメリカンのヴォーカルに負けず劣らず魅力的だと感じました。僕は人種による声質の壁は努力や技術で超えられないものであり、それゆえ日本人によるHiphopはフローはさておき声質があまり好みでないためほとんど聴かないのですが、(普通の歌、つまりJ-POPは好きです。)この作品を聴く限りチカーノはもっと聴きたいと思いました。ちなみにこの作品における使用言語は英語で、普段の洋Hiphopと同じだからすんなりと受け入れられましたが、もしスペイン語だったなら違った印象になる気がします。

 ちなみにこの作品は正式リリース前にタワレコにて数曲のスニペットを収録した無料のサンプルCDが視聴機横に置いてあり、確か僕は2007年のGW頃にたまたま手にして、一聴して一発でやられた思い出があります。メルカリにそのサンプルCDがあってとても懐かしくなりました。


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 ダイナミックな鍵盤とストリングスが華やかなトラックに、キュートなサビや、はさみこまれる「トゥルトゥルトゥ~ル~♪」が甘酸っぱくたまりません。ラップも低音のどっしりした男前でナイスデュエットです。

  上記以外にも、ゆるゆるのドープシット"West Coast"とエモーショナルで泣ける美曲"Everything Is Gonna Be Alright"という2曲を貼りたかったのですが、そちらはYoutubeにありませんでした。おそらくこの作品が日本のみでリリースされた?作品っぽいのであまり海外では認知されていないのかもしれません。Discogsを参考にすると2007年日本リリースで、その他のヴァージョンとして2008年リリースのアメリカ盤があるようなのですが、そちらは出品が1点のみなので、海外のファンにとってはレアな作品のようですが、この傑作が広く知れ渡っていないのは残念です。