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Rap A Lot のプロデューサーについて

 前回Z-ROのアルバムについて書いたことがきっかけで、Rap A Lotのプロデューサーについてもっと知りたくなり、bmr誌2004年9月号の出嶌さんによる「ラップアロット大特集Part.3」を読んだので、そこで知ったことや好きな曲について書きます。今回の情報源である出嶌さんの記事はとても詳しく、当該記事に限らずいつも勉強になる&楽しませてもらっています。

 まず今回取り上げるRap A Lot関係のプロデューサーの人選は、私が好きな人であり、それはつまり2000年代に活躍していた人であるため、歴史あるRap A Lotの中でも1部分を切り取ったものに過ぎませんが、十二分に紹介する価値のある人たちなのでお付き合いください。 

 まず一人目のN.O. Joeは90年代前半から同レーベルで活動しており、Scarface作品での仕事が有名です。加えてUGKの96年作「Ridin' Dirty」と99年の「Dirty Money」ではPimp Cと共同でアルバムの大部分を担い、2007年の2枚組「Underground Kingz」でも他のプロデューサーとの共同で7曲に参加しており、Rap A Lotのみならず、ヒューストンのHiphopを支えるベテランです。マイフェイバリット(以下マイ~)は以前ブログで取り上げたPimp Cの”I Sha Playa"やUGKの"The Game Belongs To Me”、”Living This Life”といったところで、粘っこくもサラリとした曲が好きです。

 二人目はBigg Tymeで、彼はLil Flipのヒット曲“I Can Do Dat(Remix)"を手がけたことで注目を集め、2004年にはリーダー作的なコンピ「The Day After Hell Broke Loose」をRap A Lotから発表します。このアルバムは非常に豪華な面子の参加した作品で、当時そこまで実力や地位が定まっていなかった彼が、いきなりこうした作品を出せたことが今考えると不思議です。マイ~は全てZ-ROの曲で”Happy FeelingZ”と”Platinum”と“No More Pain”でメロディアスな曲が素晴らしいです。

 三人目のMike Deanは、N.O Joe同様に90年代からRap A Lotを支えており、トラック制作に加えてミックス等のエンジニアリングも担当しており、同レーベルのサウンド面において最も貢献した人と言ってよいと思います。また彼は非常に才能に溢れた人だそうで、その証拠にレーベル外のDaz DillingerやKanye Westからも重宝されており、どの洋雑誌かは忘れましたが、彼を扱った記事にて「Musical  Genius」、「テキサスのDr Dre」と最高級の形容をされていました。そんな彼のマイ~はこれまた全てZ-ROの曲で、”I Hate U”、”Respect My Mind”、”T,H,U,G(True Hero Under God)”で”Respect~”はSadeの”Cherish The Day"を、”T,H,U,G~”はLuther Vandrossの”So Amaizing”を、Hiphopソングとしてアップグレードさせたアッパレな曲です。上記3曲はメロウ系ですが、バキバキのストロング系も多く、多才です。

 最後のMr. Leeは97年頃からRap a lot作品にてシーンに登場してきた人で、同レーベルにて着実にキャリアを積んでいき、その能力は2000年代に大爆発し、ヒューストンブームのサウンド面での立役者となりました。私は今回取り上げた4人の中で最も彼が好きで、それこそ私的Top5プロデューサーにもランクインします。(ちなみにそのTop5とはDr Dre、Kanye West、Mr. Lee、Scott StorchとR&BですがR.Kellyです。)

 そんな彼のマイ~はとても多いのですが、ぱっと思いつくところではZ-ROの”From The South”、Bun Bの”Get Throwed”、Slim Thugの”3 KIngs”、Pimp Cの"Rock 4 Rock”といったところで、ジワリとしたスクリュー感がとてもディープでドープであり、ヒューストンの音楽遺産であるスクリューを完全に自分のものとしています。

 以上、私の好みのRap A Lotのプロデューサーについてでした。