big fan of 2000年代Hiphop

持っているCDと雑誌の記録ブログです。

Z-RO「Let The Truth Be Told」

 好きなアルバムの紹介&感想を綴っていこうと思います。アルバム1枚を通して一気に書く気力と体力は無いので、1枚のアルバムを1回につき3曲ずつくらいでちょびちょびと書いていきます。あまりピンとこない曲は飛ばします。

 今回取り上げるのはテキサス州のヒューストン出身で、DJ ScrewがLil KekeやFat Patと始めた集まりで、徐々に構成員を増やしていき、ヒューストンではとても大きな勢力にまでなっていった「Screwed Up Click」の一員であり、それ以外でも近しい人たちともグループを組みつつも、ソロとしても多く作品を出しているラッパー、Z-ROがヒューストンのヒップホップシーンを形作ったと言っても過言ではない重要レーベル「Rap A Lot」の一員として2005年にリリースした作品です。

 私がアメリカのメインストリーム・メジャーなヒップホップを知り、好きになっていったのは2004年の3月からなのですが、そこから大体2010年の春頃までのHiphopR&Bが自分にとって大好きな、頭と心と体にバッチリ刻まれた音楽的嗜好なのですが、その嗜好を具体的に分類すると、KanyeによるSoul早回し系とDreによる硬く重たいシリアスサウンドと、2005年に人気が大爆発したヒューストン出身ラッパーによる一連の作品群で聴くことのできるサウンドであり、そのヒューストンブームの中でも特に好きなラッパーであるZ-ROの、これまた私好みの硬く、クリアなサウンドが満載の私的クラシックが本作です。

 そんな私的名盤の1つである本作の紹介&感想を書かせていただきます。

 まず1曲目はHiphopR&B問わずサンプルされている大人気曲、Eric B&Rakimの"Paid In Full"を用いて、得意の歌うようなフロウをたっぷり聴かせる"Mo City Don (Freestyle)"で、疾走感あふれるトラックにコクのある声質で言葉がよどみなく溢れ出る様は圧巻で、この1曲でZ-ROの持つポテンシャルの高さが分かろうというものです。加えて隠し味的なスクラッチやコンガもHiphop度を高めるスパイスとして効いていて、バッチリな仕上がりです。

 2曲目の"The Mule"はDani Cartelによる、ほんのりファニー感のある小刻みなFunkトラックに、Z-ROに負けず劣らない個性的な声とフロウでキャラのしっかり立ったJuvenileとDevin The Dudeが参加しており、中でもJuvenileは唯一無二の声芸を聴かせてくれます。

 3曲目の"Don’t Wanna Hurt Nobody"はFunkバンドのBrickの"Ain't Gonna Hurt Nobody"をZ-ROが高らかに替え歌った気持ちイイ1曲で、Mike Deanによるブリブリの低音と高音のシンセメロディーが効いたトラックはZ-ROの歌と相性が良く、Z-ROがRap A Lotに入って良かったとつくづく感じさせる曲です。この曲にはZ-ROが組んでいるグループ、ABN(Assholes By Nature)のTraeとLil bossも参加していますが、Z-RO以上に低音の声で、押し込めたようなフロウのTraeと、良い意味で普通なLil Bossも上手く溶け込んでいて、曲を通してのど(耳)ごしがよくスルリと楽しめます。

 今回はここまでで、またいつか続きを書かせていただきます。