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Pretty Ricky"Grind With Me"

 フロリダ州マイアミ出身のシンガー1人とラッパー3人で構成される兄弟グループ、Pretty Rickyのメジャーデビューアルバム「Bluestars」からの先行シングルである本曲。ProはJim JonsinとBigg Dによるプロデューサーコンビ、Unusual Suspectsで、彼らは前年にヒットしたTrick Daddy"Let's Go"を手がけた俊英で、特にJim Jonsinはこの後に単独仕事でDanity Kaneの"Show Stopper"、Lil Wayne"Lollipop"、T.I."Whatever You Like"といった全米ヒットクラスの曲を多数手がけるなど、2004から2008年あたりに大いに活躍しました。個人的には本曲とMike Jonesの"Cutty Buddy"(T-PainでなくTrey Songzバージョン)が特に好きです。

 本曲はセクシャルなグループであるPretty Rickyの中でも特に濃厚な、ドクドクと脈打つようなスリリングなトラックに、若さ溢れる彼らの奔放で野性味あふれるヴォーカル・ラップが喰らいつくBump N Grind  Shitです。

 僕がこの曲を初めて聴いたのはTVK(テレビ神奈川)のビルボードTOP40というカウントダウンTVビルボード版、みたいな番組においてで、矢継ぎ早に1曲につき数秒流れていく程度のものなのですが、一聴してその強烈なインパクトに度肝を抜かれました。同様のパターンでやられたのは他にBobby Valentinoの"Slow Down"くらいで、たった数秒でそこまでもってかれる曲は滅多にありません。

 そんなわずか数秒で僕の心を鷲掴みにした本曲ですが、PVも含めてフルで聴くとサビだけじゃなく全篇にわたってほとばしる熱気とクオリティーの高さに圧倒されます。

 ルックスを含めてラップ組3人がLil jon曲でフィーチャーされるラッパー並みのテンションでキャラが立ったラップを聴かせ、歌担当のPleasure Pのけだるく熟れたヴォーカルやラップの語尾に入る合いの手が実にNastyで最高ですし、ラップは1番(Baby Blue)ヤリ手、2番(Spectacular)モテ男、3番(Slick'em)ケモノ、と大雑把なカテゴライズで済ませたくなるような勢いがあり、そこには彼らが全知全能をかけてそのポテンシャルの120%をぶちかました結果がここにはあります。

 実際アルバムは全体として聴きごたえのある作品ですが、滾る系の曲で本曲に匹敵するものは無く、本曲は瞬間最大風速的なミラクルソングであると思います。