でもこれ、実際はフックのみの起用+トラックのインパクトが大で、彼はあまり爪痕を残せていないのですが、彼の存在が世間に知れ渡ったという意味で重要な曲です。ノクターナルは"Fuck You"のDevin The Dudeのような味のある、ニュルふわヴォイスを添えていますが、私的にはズンズン迫りくるループとフルートが気持ちいいトラックが印象的で、この曲からはまだ彼の実力は?です。
こちらは音源流出というトラブルを乗り越えて、2004年に晴れてリリースとなったフルアルバム「The Way I Am」収録の、Timbalandによるコミカル電子ファンクです。Lloyd Banksの"I’m So Fly"をヤワくしたようなトラックがノクターナルの声質に合っています。Lloyd banksにはあの張り詰めたカチコチビートは合っていますが、彼にはこれくらい「隙」または「愛嬌」のある方が合っています。私的お気に入りポイントは、曲後半から加わる、Justin Timberlakeの"Sexy Ladies/Let Me Talk To You Prelude"の4分過ぎからでも使われているチンコロカンカン音です。ノクターナルについては、ラップは普通ですが、フックでの奇怪な歌がCee-Loに通ずる不思議な魅力を放っています。
今回は前回取り上げた、EPMDの片割れであり、ラッパー兼プロデューサーであるErick Sermonの、僕が知っている&持っている数少ない曲を紹介します。正直言って彼に関しては、EPMDのアルバム「Business As Usual」と2004年のソロアルバム「Chilltown, New York」と今回紹介する曲しか持っていないので、彼について書くのはおこがましいかもしれませんが、ご了承ください。
この曲が彼を知るキッカケになった曲で、僕自身は踊ることはできませんが、ストリートダンスのいちジャンルである「Poppin」がとても好きで(といっても生で踊っている人を観たのは1回だけで、6年くらい前だと思うのですが、お台場にある「デックス東京ビーチ」というとても大きなショッピングモールにて催された、「UK B Boy Championships」という、イギリスで開催されるストリートダンスの世界大会の、関東or東京予選を見に行ったのが唯一の体験なのですが)、YoutubeでPoppinの動画を観るのに一時期ハマっていて、その時に、韓国の有名なPoppin Hyun Joonという人の練習動画にこの曲が使われていて、「なんてクールなんだ!」と衝撃を受けました。PoppinダンスはFunkで踊られることが多いので、その流れでFunk感のある西海岸Hiphopも時おり使われるのですが、これはまさしく00年代版Funkといった趣の、ソリッドでクールな曲です。トピックとしては、Erick SermonとDJ Quikという東と西を代表するロジャーラバーの二人の共演で、サウンドは分かりやすいロジャー、ザップ感は無いものの、Zapp曲のフレーズを取り入れており、リスペクトが伝わってきます。ここでもやはりXzibitの拳に力を込めたような、強い圧を感じるラップがカッコイイです。
最後に紹介するのは、Erick Sermonが、尊敬するRoger Troutmanと共演した、キレッキレのFunkです。この曲もEPMDはあくまでも脇役なので、Erick Sermonがテーマの本記事で紹介するのはちょっとアレですが、こうでもしないと僕の知っている範囲で彼について書こうとすると何も紹介できないので、ご容赦ください。彼について書くには時期尚早でした。少なくとも未聴中古CDの中から発掘した、2004年のソロアルバム「Chilltown, New York」を聴いてからにすべきでした。また修行を積んでから出直します。押忍。
この曲はほんとカッコイイですよね。これ以上何も足す必要のない、完璧な出来だと思います。エッジーでエモーショナルで、クールでいて、なおかつキュートでチャーミングという、非の打ちどころのなさ。これって曲のみならず、ロジャーを表わすワードだと思うのですが、どうでしょうか?この曲を含めた91年のアルバム「Bridging The Gap」は、色んなタイプの曲が収められた好盤です。あれ、さっきっから全然Erick Sermonの話をしていない気が…。
本来は前回記事でお伝えした通り、ノクターナルの曲を紹介する予定だったのですが、前回のThe Game"No More Fun And The Game"のモチーフとなった曲、EPMDの"For My People"を聴いてEPMDに興味を持ったまさにその時、たまたま目に付く所に以前安かったから買って1回くらい聴いてそれっきりご無沙汰だったEPMDの90年12月リリースのアルバム「Business As Usual」があったので、鉄は熱いうちに打て、じゃないですけど、せっかく興味が湧いたので改めて聴いてその感想を今回は書かせていただきます。
EPMDについては、エリック・サーモンというプロデューサーがいる二人組、くらいの知識しかなく、全くのド素人状態で「Business As Usual」を聴きました。以前1回聴いた時は、Fabolousの"Return Of The Hustle"のイントロで使われたストリングスフレーズに反応したくらいで、印象は薄いものでした。今回は何か感じ取れるよう注意して聴いてみました。
この曲を聴いて、はて、どこかで聴いたことがあるぞ、と思ったらデスチャのベストアルバムに入っていた"No ,No, No Part2"でした。デスチャの曲はビヨンセの、ラップのような跳ねた歌がトラックにマッチした、Hiphop寄りのクールなR&Bです。元になったこの曲はフックでのフルート?の音やシャキシャキしたドラムがクールで、ファンクを感じます。デスチャ曲がオリジナルだと思っていたのですが、90年のこの曲は00年代と言われても違和感ないくらいシャキッと、クリアーな鳴りで、気に入りました。