big fan of 2000年代Hiphop

持っているCDと雑誌を管理するための記録ブログです。

 2003~2009年くらいまでのDr.Dreの作風が大好きなのですが、その頃にAftermathにいたアーティストには思い入れがあって、50CentやThe Gameのように大成したラッパー以外にも「おおっ!」と思わせる才能の持ち主が何人かいました。今回はそんな元Aftermath所属のアーティストで、ニューカマーとして期待されていた者とある程度のキャリアを積んだのち、Dreに見初められて加わった者の二つに分けて好きな曲を紹介します。

 まずはニューカマー組からで、一番手は僕の一番期待していたBishop Lamontです。カリフォルニア州のカーソン出身の彼はThe Gameの"Dreams"のビデオ撮影現場にてDreと初めて会ったようで、その後2005年にAftemathと契約し、順調にいけばDetoxにて大フィーチャー&Battlecat、DJ Premier、RZA、Pete Rock、そしてもちろんDreが参加した豪華アルバム「The Reformation」をドロップする予定でした。

 しかしそのどちらのアルバムもお蔵入りとなり、彼は2010年に約5年間在籍したAftermathを離れることになり、以降はMixtapeのリリースが主だった活動となっております。

 彼の何が好きだったかというと、リリックは英語わからんちんなのでアレですが(bmrによれば歯に衣着せぬ扇動的なリリックとのこと)、その威勢の良い、マッチョなアティチュードの声とフロウ、そしてルックスに惹かれました。DJ Couz氏によるMixCDの特典DVDを観ると、とても明るくユーモラスな性格も見て取れ、ますます好きになりました。

 そんな彼の好きな曲ですが、以前紹介した以外にもたくさんあるので何回かに分けて紹介させていただきます。お付き合いいただければ幸いです。


www.youtube.com

 彼のメジャーデビューアルバムとして予定されていた「The Reformation」からの1stシングルになるはずだった?曲です。初めてこの曲をYoutubeで発見した時にそうした文言が付けられていたのですが、本当の所はよくわかりません。今検索したら見つからなかったのですが、彼がAftermathを離れた頃にネットのニュースサイトで、この"Grow Up"は本当はレーベルメイトのMarsha Ambrosious用のトラックだったのを、彼が勝手に作ってDreの了解を得ずにリリースしたものであり、それが原因で両者の関係に亀裂が入ってAftermathの離脱につながった、みたいなものがありました。

 真偽は定かではありませんが、もし勝手に作ってリリースしたならば、超完璧主義で中々曲の発表にゴーサインを出さないことで有名なDreならあり得る話だと思います。

 でも何年も経つのに中々自分のキャリアに進展が見られない彼の立場を思うと、無理やりにでも曲をリリースしたとしても彼を責めることはできません。流れの速いHiphopシーンにおいてはとにもかくにも曲を出し続けることは必須であり、寡作で許されるのはDreやD’Angeloのような一握りの存在だけであり、彼のフラストレーションは相当なものだったと思います。レーベル離脱後にAftermathで700曲!制作したと語っていましたが、実際にリリースされた曲はほんのわずかで、実にもったいないなぁと思います。

 長々と音楽そのもの以外について書いてしまいました。曲は淡くセンチメンタルなウワモノのループに、低音の効いたベースがマッチしていて、そこにDreの中でもトップクラスのズシッとした迫力のあるドラムと小節末に儚く添えられるハープの音色が美しく、フックでは啓発的なBishop Lamontのフレーズにエモーショナル感を増幅させる上昇していく?シンセ音が斬新でカッコイイです。ラップ面では「お前はベントレーを手に入れても入れるガソリンがねぇ、グッチの財布には金がこれっぽっちも入ってねぇ」みたいな部分が好きです。もうアホなことはやめて成長しようぜっていう、とてもモチベーションを上げてくれる意義深い曲です。