big fan of 2000年代Hiphop

好きな音楽に関することを色々と書いてます。

私的名盤シリーズ その1 T.I.「King.」(パート1)

 自分にとっての名盤について紹介・感想・思い出や、その他思い浮かんだあれやこれやを気の向くままに書いていきます。取り上げる順番は好きな順ではなく、その時の気分で決めてます。

 今回取り上げるのは「King Of The South」ことT.I.の2006年4月リリースの作品「King.」です。これは僕が高校3年になったばかりの4月にリリースされたのですが、その発売前から「絶対に買う!」と決めていたくらい、発売前から超楽しみにしていました。

 たしかこの頃(2006年春頃)は、まだYoutubeでリリース前のアルバムがまるまる聴ける環境ではなかったように記憶しています。僕のおぼろげな記憶では2008年の6月中旬に出たLil Wayneの「Tha Cater Ⅲ」は発売前に全曲フルで聴けて、買う前からバッキバッキに聴いていたのですが、その少し前5月下旬に出たBun Bの「ⅡTrill」は全曲は聴けなくて、チョビチョビとアップされる曲を来る日も来る日もワクワクしながら聴いていた思い出があります。

 だから「Tha Cater Ⅲ」のアルバム収録曲全てがYoutubeで発売前に聴けたことは僕にとって悪い意味でエポックメイキングな出来事で、以降は視聴というレベルを超えて聴けてしまう環境ができてしまった(&知ってしまった)がゆえに、僕の音楽に対するリスニングスタイルに変化が起き、それまでは限られた情報によって買う・買わないを判断して、いざ購入したらしばらくはそのCDを繰り返し聴いて「味わう」ことによってその作品が日々の生活と合わせて思い出に残っていたのですが、事前に聴けてしまえるようになってからは大量にリリースされる新作の「チェック」で終わることが多くなり、その結果、一番の原因はサウンドのトレンドが変わったことですが、それに加えてこうした自分のリスニングスタイルと環境に嫌気が差して、疲れてしまい、2010年の中頃から新譜を追うのをやめてしまいました。自分には情報量が多すぎて消化できませんでした。

 話が脱線しましたが、上述したように「King」発売前は聴けるものは限られていたにも関わらず、なぜ絶対に買うと決めていたのかというと、それまでCDを買うにあたって重宝していたタワレコHMVの(どっちだったのか明確に覚えてないんです)オンライン版での視聴機能にて、高校3年に上がる前の春休みに寝っ転がりながら「What You Know」を一聴して、そのあまりにギラついたカッコよさに一発KOされ、(思わず起き上がりました。)買うことを決心しました。

 懐かしくなったので先ほどタワレコHMVのサイトを見てみたのですが、どちらも視聴機能が無くなっており?、当時とてもお世話になっていたので寂しく感じました。あの曲横のボタンをクリックするとWindows Media Playerが開いて1曲あたり20秒くらい聴けるスタイルがシンプルで程良く、自分にはマッチしてました。

 で、実際に発売と同時に国内盤を買ったんですけど、視聴でお世話になっていたにもかかわらず店はタワレコでもHMVでもなく高校の最寄り駅近くにあったショッピングモール内の新星堂でした。この時同時にオンライン版のタワレコHMVの特集を見て興味を持ったUKのラッパー、The Streetsのアルバムも買いました。このアルバムは普段聴いていたものとテイストが違って新鮮に感じて、箸休め的に聴いていました。

ちなみにこの新星堂は品揃えが充実していて、E.S.Gの「Sailin' Da South」やPaul Wall&Chamillionaireの「Get Ya Mind Correct」等もありました。

 長々と思い出語りをさせていただきましたが、いよいよ作品について書かせていただきます。(結局作品に対しても僕の感想や思い出話になって恐縮ですが、こうした文章しか書けないので、ご了承ください。)

 このアルバムが出る前は、前々作である「Trap Muzik」は持っていて、すでにT.I.と彼のセレクトするトラック(僕はトラックメインで聴くタイプなので、ぶっちゃけるとラッパーはサブの存在で、作品の良し悪しはトラックで判断してます。)は好きだったのですが、このアルバムはラップ、トラックともによりメジャー感が増しており、彼がこだわる「King」の称号に相応しい出来です。私的には最初から最後まで楽しめる「傑作」です。以下でアルバムの曲順に何曲かピックアップして好き放題に書きます。

 


www.youtube.com

  アルバムの幕開けはジャスト・ブレイズProの、フックでの勇壮なホーンとヴァース部でのメランコリックなループがきらびやかな、まさに王者の帰還に相応しい大スケールの1曲です。(でも前作の時点ではまだ「King」と言える程の存在ではなかったと思います。このタイトルはボースト一つでしょうが。)この曲を聴くといつもホーンとベースの響きから仮面ライダーが頭に浮かんで笑ってしまいそうになります。たまらなくソリッドでカッコいいんだけど、仮面ライダー(笑)ってなるんです。僕だけですかね?

 ラップに関しては以前よりもギラついて凄味が効いた声と、引きずるようなフロウがカッコよく、改めて自分は「粋な不良」を感じるラップが好きなのだと思いました。

 元ネタをYoutubeで聴いたのですが、すごくカッコいいですね。全く知らなかったのですが、Ray DaviesというUKのウェールズ出身のトランぺッターによるもので、大仰なホーンが好きなので良いアーティストを知りました。

 しかしこんなに簡単に元ネタを聴くことができる環境もネットとYoutubeのおかげなので、先ほどアルバムが発売前に聴ける環境に嫌気が差したなんて言ってしまったものの、弊害よりも恩恵の方が大きいですね。要はその道具を使う人が問題であって、世の中は明らかに良い方に進歩しているのだと思います。しかしその適度な使い方のさじ加減が難しいんですよね。特に自分は不器用で、要領も悪く、すぐ物事を白か黒の両極端で捉えたり、早合点するので、便利なテクノロジーとの距離感は永遠の課題です。色々と模索しておりまして、今のところ元ネタを調べたり、聴いたりする際は大いにYoutubeを利用しています。こればかりはあまりに便利で他の選択肢は考えられません。ただ、Youtubeで聴くだけでは味気が無く、心に残らないので、すごく気に入ったもので、予算に余裕があればたま~にですが実物を手に入れるようにしています。。最終的に売ったとしても一度フィジカルで手にしたものは心に残って思い出になるので。   

 僕は人生において最も大切なものは「思い出」だと思っています。僕は日々「思い出」を糧に生きているので、はたから見たら時代遅れで向上心のない、つまらない人間と思われているでしょうが、こうした生き方が僕なりの処世術であり、アンパンマンが言うところの「なにが君の幸せ~なにをしてよ~ろこぶ」に対するアンサーなのです。

 


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こちらが元ネタです。全編にわたって使用されていることから、いかにこの曲がジャスト・ブレイズの琴線に触れたのかが見て取れます。サンプル云々抜きにして楽曲としてカッコイイです。特に猛々しいホーンがたまらなく、展開もしっかりあって完成度が高いです。Ray Davies氏にナフリスペクトです!