big fan of 2000年代Hiphop

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Busta Rhymes ”Get You Some”

 2006年リリースのアルバム「The Big Bang」の幕開けを飾る本曲は、Dr Dreによる彼にしか作れない究極のハイファイヘビーサウンドが、頭を丸めて心機一転したBustaのド迫力ラップと融合し、彼のキャリアにおいてまた一つ新たなクラシックソングとして刻まれることになった重要曲です。

 ここで奏でられるヒリヒリした弦の音色、ダークでヘビーなオルガン、爆発するようなドラムのそれぞれが当時のHipHop界では誰も真似することができない、突出したサウンドで、そこにバスタに加えて不気味なまでに落ち着き払ったQ-Tipと、妖しく色気のあるMarshaの声を配した本曲はAftermath Entertainmentによる超1級のHipHopです。

 本曲をDreと共同で制作したMark Batsonは、幼少期からクラシックピアノの修練を積み、青年期には音楽業界に多数の人材を輩出していることでも有名な名門黒人大学・ハワード大にてJazz Pianoを学んだ生粋の鍵盤奏者で、キーボードが大好きなDreのお眼鏡にかない、2004年頃からDreの右腕としてEminem、The Game、Snoop、Jay-Z、50Centの楽曲の鍵盤パートを担当しました。彼の奏でる美しく、時にダークでシリアスなメロディとDreのヘビーでクリスピーなドラムの相性はバッチリで、2001期とは一味違う、大人のHipHopの開拓に大いに貢献しました。

 ちなみにBlast誌2007年5月号のインタビューにおいてJust Blazeは、本曲を2006年において最も好きなビートに挙げており、この曲が大好きな僕は、自分のセンスもなかなかイケてんじゃん!?なんて思っちゃったりしました。