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Kanye West “Diamonds From Sierra Leone”

 Kanye Westが2005年の8月末にリリースした2ndアルバム「Late Registration」からの先行シングルとして発表された本曲は、1971年の映画「Diamonds Are Forever」の主題歌(タイトルは映画と同名)を贅沢に使用したもので、1stの頃より格段にHipHop界での存在感を増したKanyeに相応しい、スケールの大きい楽曲に仕上がっています。

 ProはKanyeのいとこでJohn Legendと大学が同じだったDevo Springsteenで、彼はかつてシンガー、DJ、ラジオ番組と色々とチャレンジし、Kanyeとつるむようになってからビート作りを始め、John LegendのアルバムでのProを経て全世界が注目するKanyeの新アルバムの先行曲というこれ以上ない大舞台に抜擢されました。

彼によれば、土台となるトラックにJon Brionが楽器を加えたそうで、この体制は本曲のみならずアルバム全体でも用られ、結果としてとても豪華なサウンドのアルバムになりました。

Kanyeのラップに関してはPVではダイアモンド産業がアフリカの弱い立場にいる人々の犠牲の上で成り立っている様子が描かれていたため、歌詞もそれに沿ったものと思いきや、和訳を読むとそうしたトピックは触れておらず、自身とロッカフェラのパワーを誇示するものとなっていますが、自信に満ち溢れた勢いのあるラップは一気に聴かせるパワーがあります。

 この曲はアルバムに先行してワンコイン(500円)シングルCDで発売されたのですが、当時私はアルバムが出るまでの約一か月間ひたすら聴き、アルバムの発売を心待ちしていました。私にとっての2005年の夏を象徴する曲として大変思い出深い曲であります。アルバムの日本盤の発売日にはとてもワクワクしながら今は無きタワレコ横浜モアーズ店で買ったのを昨日のことのように思い出します。雨上がりの蒸し暑い日で、早速帰りに買ってきた昼ご飯の松屋豚丼(当時は狂牛病の影響でどこの牛丼屋も牛丼の取り扱いは中止していました。)を食べながらアルバムを聴いていくと、どの曲も素晴らしく、傑作アルバムをリアルタイムで味わうという、今思うととても幸せな時間でした。当時はYoutubeがまだ無かった?(少なくとも自分は存在を知らなかった)ので、アルバム発売前に聴ける環境はなかったので未知との遭遇といった感じで良い作品と出会ったときの衝撃と感動はより大きなものでした。