big fan of 2000年代Hiphop

持っているCDと雑誌を管理するための記録ブログです。

The Game "My Lowrider"

 2005年リリースの、正規のアルバムではない、いわゆる「Mixtape」という体裁による「Stop snitchin,Stop lyin」に収められた本曲。個性豊かな同年代・ベテラン・他地域、同地区・他人種といった様々な要素・アイデンティティーを持つ8人のMC,Paul wall,WC,E-40,Chingy,Techniec,Crooked I,Lil Rob,Ice Cubeが参加した超強力な鬼カッコいい曲です。2005年私的ベストソングに余裕でノミネートするであろう程大好きです。

 その内容はというと、トラック面ではアジア系によるグループ、Mountain Brothers(残念ながら筆者未聴)のメンバーChopsによる、コワモテMCsにマッチしたロウライダー感抜群でスクリューFunk味も感じる、重たく引きずるような妖しく粘り気のあるトラックがお酒の飲めないシラフの僕を酩酊状態させるほど魅力的です。勝手にスクリューローライダーFunkと呼ばせてもらいます。

 ここで垣間見える、彼の非凡な才能はこれ以降のBun BやChamillionaireの作品でも発揮され、哀感と人懐っこさを伏せ持った、彼独自のシグネチャサウンドを聴くことができます。

 そんな気になる存在の彼ですが、なぜ僕が彼の過去に属していたグループを聴いたことが無いのかというと、ちょっと言い訳っぽいのですが、僕は簡単に聴けたりするのは味気ない・つまらないと思って、自分で縛りを設けて無料で聴けるYoutube等の利用は控えめにして、可能な限り現物(CD)を買って愛でたいタイプなのですが、マウンテンブラザーズのCDは割と高値のため、ついつい他の安上がりなものばかり買っていたのですが、そろそろ覚悟を決めてチャレンジせねばと思います。

 話は逸れてしまいましたが、ラップに関しては合計9人によるマイクリレーにあっても、やはりメインストリームで活躍している面々のパートに関しては個性がきちんとあってそれぞれ楽しませてくれますが、中でも格別にカッコよく感じるのは、ズバリChingyのラップで、ルーズでありタイト、そしてチンピラ感と、とっぽい兄ちゃん感を感じさせる色気のある声によるラップ・フロウが自分の感性にドンピシャで、「どんなラップが好きなの?」と問われれば、僕はこれを挙げるでしょう。Hiphop・ラップミュージックはその時代によってトレンドとなったフロウやアティチュードがありますが、このChingyのラップは2005年という時代の薫りを強く感じます。

 以上、2005年末の通学中によく聴いていたマイ・クラシックソングを紹介させていただきました。

Usher "Yeah!"

 元々、中学生の頃から当時「B系」と呼ばれていたファッションに強く惹かれていた私ですが、いかんせん音楽には疎く、同級生と比べて圧倒的に無知でした。どれくらいかというと、高校生になるまで自分で買ったCDは小学生の頃の「目指せポケモンマスター」と中学でのゴスペラーズ「約束の季節」のたった2枚でした。そのため、高校に入ってすぐの頃、クラスメイトと音楽の話題になった時にHYを知らなくて笑われたりしたものでした。

 そんな私が今では2000年代HiphopR&Bを聴いたり、観たり、それに関する文章を読むことが唯一の楽しみとまで言える程のめり込むキッカケとなったのが、高校入学直後にTVKテレビ神奈川)にて本曲のPVを観て、そのあまりのカッコよさにやられたことでした。

 そんな私にとってメモリアルな一曲である本曲は、2004年リリースのアルバム「Confessions」からの1stシングルとしてビルボードチャートにおいて12週連続1位を記録した2004年を代表する1曲です。Proはそれ以前に同タイプのサウンドによるYoung Bloodzの「Damn!」やPetey Pabloの「Freek-a-leek」を手がけたLil jonで、彼による派手なシンセサウンドやブーミーなシンセベース、808ドラムとクリスピーなクラップや煌びやかなアクセントを特徴とした通称「Crunk」サウンドが当時のシーンを盛り上げていました。

 そんなLil jonによるCrunkにおいて、本曲は最もパワフルな最高傑作と言えます。上記の2曲を踏襲したビートですが、より一層厚みと響きに磨きをかけて、クリアな音像に仕立て上げ、そこにUsherの、彼によるダンス同様キレと華のある「生きた」ヴォーカルがエッジーなトラックと見事に融合し、エナジーに満ち溢れた1曲に仕上がっています。

 Lil jonは2004年に創刊された、プロデュ―サーに焦点を当てた米Scratchマガジンにて自身のデビューアルバムやTwistaのヒット曲を手がけたKanye westを押しのけて2004年のベストプロデューサーに選ばれましたが、それはこの曲によるものでしょう。

Tony yayo "Project princess"

 2005年リリースのTony yayoのソロアルバム「Thoughts of a predicate felom」収録曲。

彼はG-unitのアルバムにおいてはちょうど刑務所暮らしだったためか、出番が殆どありませんでしたが、他のメンバーよりも少し遅くなったものの無事にソロアルバムを2005年にリリースすることが出来ました。

 そしてその内容ですが、Lloyd banks・Young buckのアルバムと同様に参加メンツが豪華で、当時のメインストリームHiphopが大好きな僕にとっては頭からケツまで楽しめる私的クラシックとして今なお愛聴しています。そんな捨て曲無しのアルバム中、特に好きなのが本曲で、ProはAftermath所属のFocusで、ドレーの作るトラック程のスケール・インパクトはありませんが、センスの良い小刻みなギターリフとパッキパッキの「ドン、カッ」ドラムにJagged edgeのアダルトなヴォーカルが相まってアルバム中随一の「ワル・セクシー」な1曲に仕上がっています。

このアルバムはとにかく「ワル・チンピラ感」を感じさせる曲が盛りだくさんで、2005年という年のメインストリームならではのサウンド・アティチュードを存分に味わえる重要作だと思います。興味を持った方はサウンドのみならずPVも見ていただくことをお勧めします。G-unit総体でのゴリゴリのチンピラアティチュードが凄いカッコいいです。私的にグッとくるシーンは"So seductive"のPVにおけるLloyd banksが頭をふらふら揺らしながらカメラ目線で葉巻の煙を吐き出す(吹きかける?)ところです。