元々、中学生の頃から当時「B系」と呼ばれていたファッションに強く惹かれていた私ですが、いかんせん音楽には疎く、同級生と比べて圧倒的に無知でした。どれくらいかというと、高校生になるまで自分で買ったCDは小学生の頃の「目指せポケモンマスター」と中学でのゴスペラーズ「約束の季節」のたった2枚でした。そのため、高校に入ってすぐの頃、クラスメイトと音楽の話題になった時にHYを知らなくて笑われたりしたものでした。
そんな私が今では2000年代Hiphop・R&Bを聴いたり、観たり、それに関する文章を読むことが唯一の楽しみとまで言える程のめり込むキッカケとなったのが、高校入学直後にTVK(テレビ神奈川)にて本曲のPVを観て、そのあまりのカッコよさにやられたことでした。
そんな私にとってメモリアルな一曲である本曲は、2004年リリースのアルバム「Confessions」からの1stシングルとしてビルボードチャートにおいて12週連続1位を記録した2004年を代表する1曲です。Proはそれ以前に同タイプのサウンドによるYoung Bloodzの「Damn!」やPetey Pabloの「Freek-a-leek」を手がけたLil jonで、彼による派手なシンセサウンドやブーミーなシンセベース、808ドラムとクリスピーなクラップや煌びやかなアクセントを特徴とした通称「Crunk」サウンドが当時のシーンを盛り上げていました。
そんなLil jonによるCrunkにおいて、本曲は最もパワフルな最高傑作と言えます。上記の2曲を踏襲したビートですが、より一層厚みと響きに磨きをかけて、クリアな音像に仕立て上げ、そこにUsherの、彼によるダンス同様キレと華のある「生きた」ヴォーカルがエッジーなトラックと見事に融合し、エナジーに満ち溢れた1曲に仕上がっています。
Lil jonは2004年に創刊された、プロデュ―サーに焦点を当てた米Scratchマガジンにて自身のデビューアルバムやTwistaのヒット曲を手がけたKanye westを押しのけて2004年のベストプロデューサーに選ばれましたが、それはこの曲によるものでしょう。